投稿日:2017/08/06 更新日: 雑記

【書籍紹介】オタクの心をつかめ 最強の購買欲をもつ顧客たち

著者 :寺尾 幸紘
出版社:SBクリエイティブ
発売日:2013/10/16
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概要

著者は2005年TVチャンピオン「あきば王選手権」の優勝者である。本書ではオタクを「秋葉原などで扱われることが比較的多いコンテンツに、金銭または時間を日常的に費やしている生活者」と定義し、これまでにオタク向けに発売された商品の成功事例・失敗事例および、オタクの性質を中心に紹介している。その上で、オタクをターゲットとしたビジネスを展開する際のヒントを述べた本となっている。

オタクをターゲットとしたビジネスで重要な3要素

1つ目は、「これはバカだ」と思わず笑ってしまうようなアイデアになっているべきである、というものである。その例として、「シック✕ヱヴァンゲリヲン」のコラボキャンペーンをあげている。このとき気をつけるべきことは、二番煎じにならないことだと著者は言う。二番煎じのものを発売すると、オタクは「前にウケた商品と同じようなのを発売して、オタクから金をむしり取ろうとしている」と感じるためである。

2つ目は「オレ萌え」要素、つまり「こんなものバカなものにお金を使ってしまった」と良い意味で自虐ができるような商品になっているべきである、という点である。1つ目の要素を満たしていれば、2つ目の要素も半分は自動的に満たされるが、残りの半分は値段設定により影響される。バカなものにお金を使った自分をネタにしたくても、値段が高すぎると気軽には買えないためである。

3つ目は継続性である。買えば買うほどオタクの愛が深まるように、最初の商品がヒットしたら第2弾、第3弾と発売していくことを指す。ここでの注意点は、第2弾を発売する時点では第3弾以降につなげることは考えないようにすることである。これも、終わりの見えないシリーズ物として展開され始めると、お金をむしり取ろうとしていると思われるから、ということだと思われる。

感想

オタク向けの商品は様々なものが発売されており、爆発的にヒットするものもあれば全く売れないもの、さらには炎上して発売中止になるものなど、結果も様々である。オタク向けの商品を見るたびに、上記の3要因それぞれが例えば5段階でどの程度満たされているのか、頭の中でレーダーチャートを描いてみると、一段抽象的なレベルで商品間の比較ができて面白いのではないかと思う。また、炎上商品を見かけたら、上記の注意点のうちどれが原因になっているのかを意識することも、炎上案件を整理して俯瞰するうえで有用であろう。


-雑記
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